すれ違い*Pure Love《1》
「じゃあ決定な!!」
高野がニヤッと笑う。
もうすぐホワイトデー。
女がバレンタインなら男はホワイトデーだ!!
なんて勝手なことを言いだしたかと思うと、一人一つずつ飴が配られた。
嫌な予感がする。
そう思って高野を見ると、何か企んでいるのか、ニヤニヤ笑っていた。
そして俺の予感は的中。
この飴を渡して本命に告れ。
なんて言いだした。
集まっていた男子全員が黙り込んだかと思うと、一気に騒つきが起こった。
そんな中、陽太が小さく呟いた。
「俺、やってみようかな…」
ザワザワうるさい周りのヤツらには聞こえていないらしい。
すぐ隣でため息を零していた俺だけが驚いていた。