すれ違い*Pure Love《1》
部活に向かうヤツらが支度をはじめ、さっきの騒つきが嘘のように静かになっていた。
今日は晴れ。
当然部活もあるし、大会も近い。
サッカー部のヤツらはかなり部活に力を入れている。
大会の話で盛り上がる陽太や塚田を横目に、俺は帰り支度をはじめていた。
「早飛、何で部活出ねぇの?」
陽太が不思議そうに俺を見てくる。
「早飛なら絶対レギュラーになれるのにさ。」
そう付け加えると止まっていた手をまた動かしだした。
さっきの決意は何だったんだろうと思うくらい、陽太はいつも通りで。
そんな陽太を見ていると何だか体の力が抜けていって。
フゥッと息を吐き出すと、焦っていたキモチも落ち着いていく気がした。