すれ違い*Pure Love《1》
叶わない。
結果が分かり切っているのに告白なんかして何になる?
ただ傷つくだけ。
今以上に気まずくなるだけ。
だったら想いなんて伝えない方が…
「早飛。」
ボケーッとしながら考えていると頭の上から声がした。
顔をあげると、見たこともないような真剣な顔をした高野が立っていた。
「ちょっといいか?」
「ん……」
短く返事をしながら立ち上がると、高野は何も言わず歩きだした。
その後ろを黙って歩く俺。
何だろう?
そう考えていると、あっという間に人気のない所まで来ていた。