すれ違い*Pure Love《1》
結局ホワイトデーは、何もなくすぎていった。
もう期待するのは止めようと思っても、どこかで期待してしまう自分がいる。
今日もいつものように席に着き、誰もいない隣の席をジーッと見つめる。
間には、相変わらず縮まらない距離がある。
はぁーと小さくため息をつき、カバンから教科書を取り出す。
順番に並べてから机にしまうのは、変なとこで几帳面な私のこだわりだったりする。
昨日置いていった教科書を取り出した瞬間、何かがポトッと下に落ちた。