すれ違い*Pure Love《1》
キーンコーンカーンコーン
「はぁ…」
チャイムが鳴っては隣の席を見つめため息をつく。
もう何回目だろう?
朝、ショートの時に鳴って1回目。
1限前の予鈴で2回目。
1限が始まって3回、終わりで4回目。
2限、3限……昼休みも過ぎて…
気付けばもう、5限目。
今、何回目だっけ…?
もう覚えてないや…
「はぁ…」
相変わらず空いたままの隣の席を見て、またため息を漏らした私は、今度は窓の外を見る。
真横に見える校庭から端っこの方に視線を移す。
誰もいない校門が目に入ってまたため息…。
朝、机の中にキャンディを見つけたときのあの期待は、今はもうなかった。
来ないってことは、少なくとも本気じゃなかったってことかな…
なんてそんな悲観的な考えしかできない自分が嫌になる。
バカだなぁ…
期待なんてして。
何か、もう嫌だな…
そんなことを思っているうちに、時間はどんどん過ぎてって…
キーンコーンカーンコーン
本日、十何回目かのチャイムが鳴ってしまった…