すれ違い*Pure Love《1》
でも…
でも実際、この恋は叶わないんだと思う。
俺が瀬川を好きで。
でも、俺は瀬川に避けられている――それはつまり、嫌われてるかもしれないってことで。
もし嫌われてなかったとしても、瀬川はまだ塚田が好きかもしれなくて。
つまり、瀬川が俺を好きになる確率なんてほんのわずかな確率なわけで…
だから、実際。
俺の失恋は決まっているのかもしれない。
結果なんて、もう分かり切っているのかもしれない…
そう思うと、不安ばかりが募って。
後悔したくない、とか。
男らしく決めてやる、とか。
そんなことを思ってた強気な俺はいつの間にか消えていたんだ。
――――……
―――……
ザーーー
雨が降りだして、二人の髪には雫が光る。
『いいの……。気持ち、…伝えたかっただけだから…』
――――……
―――……
一度消したテレビをもう一度つけると、まださっきのドラマがやっていた。
テレビから漏れてくる涙混じりの声は、それが演技だということを忘れるくらい、俺の心にジーンと染み込んできて。
フラれて辛くないヤツなんていないんだよな…
そう思うと何だか自分が情けなくなった。