すれ違い*Pure Love《1》





しばらくの間、ボーッと考えていた。


もし、フラれたら…


そう思うと怖かった。


でも、じゃあ、もし告らなかったら…?


もし、今告らなかったら…


この関係は変わらない。


友達の、友達の、友達。


そんな遠い関係…


嫌だ。


そう思ったんだ。


一歩踏み出すのには勇気が必要で。


だから、ずっとずっと逃げてきた。


でも、俺は本気で好きだから。


今まで感じたことがないくらい、瀬川が好きだから。


だから、嫌なんだ。


いつまで経っても、高野や矢島や、他の誰かに橋を渡してもらっているような関係は。


隣にいるのに、机と机をくっつけることもできない関係は。


嫌なんだ。


このままずっと変わらないなんて、そんなの、絶対嫌だ。






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