すれ違い*Pure Love《1》
「何で…?ジュース買いに行ったんじゃ……」
いまいち状況が掴めていない私は、目の前ではぁはぁ息を切らしてる彼に思わず見とれていた。
「財布、忘れたの…気付いて……電話きて。瀬川、持ってかせたって聞いて……でも、なかなか来ねぇから……何かあったんじゃないかって…心配で……」
なかなか言葉が出てこなくて、やっとの思いで口にしたのは、
「ありがと……」
たった4文字だけだった。