すれ違い*Pure Love《1》
「本当…?」
「うん。」
私が笑うと、優は泣きながら抱きついてきた。
「ありがとう……このまま年明けちゃうかもってすごくイヤだったの。もしダメでも理由だけは知りたいし。ありがとう、梨々。」
年明けちゃう…
その言葉にハッとして携帯を開くと、ディスプレイには“16:20”と表示されていた。
優に見えないようにこっそり塚田クンにメールを打った。
《今日、会えるかな?》
しばらくして返ってきたメールには、
《塾終わって10時過ぎなら》
と書かれていた。
10時…
約束、間に合うかな…
そんなことを考えながらも、目の前で泣いている親友の姿を見ると引き伸ばすこともできず、10時半に塚田クンと会うことになった。