ずっと好きだったんだよ
休み時間になる度に、悠也と栞は質問攻めにあっていた。


そりゃ、二人とも学校で人気だもんね。


カッコイイと言われている悠也。

可愛いと言われている栞。

しかも、二人とも今まで告白されても断っていた。

そんな二人が付き合ったのだから。


私は出来るだけ、悠也と栞を見ないように、午前中は過ごした。


学園祭2日前の今日は、午後の授業は無しで学園祭の準備をする事になっている。

そして、明日は1日授業がなく、丸1日学園祭の準備にあてる。

私のクラスは、今まで放課後に残ったりしていたので、準備はほとんど出来ている。

なので、2日前の今日は、学園祭当日の当番の順番を騒ぎながら決めていた。

今の私にとって、良いのか悪いのか……

うちのクラスは、すごく仲が良い。

それに、まとまりもある。

だから、悠也と栞が付き合った事を知ったみんなはすごく協力的で、当番の時間と休憩時間を二人一緒にしようとしていた。

授業じゃなく、学園祭準備の時間の今。

自由に会話が出来る。

だから、今のクラスの話題は、悠也と栞の事。

出来る限り、悠也と栞を見ないようにしていたけど、二人の事は話題の中心。

嫌でも私の耳に入る。

昨日、たくさん泣いて、少し落ち着いてきた私だけど、また落ち込んできた。


いつまでも、こんなんじゃダメだよな。

ちゃんと気持ちの整理をしなきゃ。

だって、悠也とは友達なんだから。


みんなが騒いでいる中、私は自分に言い聞かせていた。


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