ずっと好きだったんだよ
学園祭、当日――…


学園祭は今日から3日間。

1日目の今日は、お昼からの当番だった。

私と綺那は一緒の時間の当番なので、午前中は二人でいろんなクラスを見て回った。

そして、交代の時間になったから、私と綺那は教室へ戻る。

制服の上から、自分達で作ったエプロンを着け、午前中の当番だった人達と代わる。

午前中に当番だった、悠也と栞。

すごく嬉しそうな顔をした悠也と顔を赤くした栞が、二人一緒に教室から出て行くのが視界に入った。


はぁ……


幸せそうな二人を見て、胸が痛くなった私。

自然とため息を吐いていた。


バシッ――


「痛っ……」

「奈緒、コレ、五番テーブルに持って行って」


綺那は私の背中を叩いて、お盆に乗ったミックスジュースとオレンジジュースを笑顔で渡した。


そうだ、今は当番中。

ちゃんとしなきゃ。


幸いにも私のクラスは、すごく繁盛していて忙しかった。

だから、余計な事を考える時間はなかった。

私にとってこの忙しさは、悠也の事を考えなくてすんでよかったんだ。


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