ずっと好きだったんだよ

「なぁ……、俺じゃダメか？俺じゃ、代わりになれないのか？悠也の事を忘れる為に、俺の事を利用していいから。だから……、有沢……、俺と、付き合ってほしい……」


高橋先輩の真剣な想いが、すごく伝わってくる。


「なぁ、有沢……。今も、そんなに悠也の事が好きなのか？泣きそうになるくらい」


高橋先輩は、私を抱きしめる腕の力を緩め、私の顔を見つめる。


「……わからない、です」


いつもの私なら、

“もう、何とも思ってない”

そう答えただろう。

だけど、真剣に気持ちをぶつけてくれた高橋先輩。

だから、私もちゃんと、誤魔化さずに答えなきゃ……


「最近、本当に悠也の事を考えなくなっていたんです。だから、私、もう気持ちの整理がついたと思っていました。でも、さっき……。栞の言葉を聞いて……、とにかくムカついて……。だけど、これが悠也の事が好きだからなのか、友達を悪く言われたからなのか、自分でもよくわからなくて……」


自分でも、悠也に対する今の気持ちがわからない。

だけど、これが今の素直な気持ち……