ずっと好きだったんだよ
「そっか……」


高橋先輩は、私の顔をじっと見つめ、


「なぁ。一度、俺の事を考えてくれないか?俺はどんな有沢でも受け止める。悠也に未練があってもいい。だから……、俺の事、考えてみて」


そう言うと、高橋先輩は「じゃぁ、また明日」と言って、部屋から出て行った。


高橋先輩が出て行って少しすると、香穂が戻ってきた。

そして、


「奈緒が出て行った後の櫂先輩、かっこよかったー!」


と言っていた。

高橋先輩は、私がレストランを出て行った後、栞に何かを言ってから私を追いかけてきてくれたらしい。


その夜……

私は、高足先輩の事を考えながら、眠りについた――…



夏休みの今、旅行から帰った私は、バイトばかりしていた。

香穂に「サークル、行こうよ」と誘われるけど、栞に会いたくない。

それに、高橋先輩への気持ちの答えが出せていない。

だから、私はサークルには行けなかった。

でも、サークルに顔を出さない私に

“元気?有沢のバイトが休みの日にご飯に行かないか?”

と、高橋先輩からメールがあった。

いつまでも返事をしないわけにはいかない。

だから、バイトの休みの日をメールし、高橋先輩と会う約束をした。


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