ずっと好きだったんだよ
いつ話を切り出そう……


私はその事で頭の中がいっぱいだった。


ブラブラと歩いて、駅のロータリーに着いた時、


「有沢。あの日の返事、いつ切り出そうか迷っているだろ?」


えっ?

先輩、気付いてたの?


「ご飯食べた後くらいから、ずっと顔に出てたよ」


高橋先輩は優しく表情で私を見る。


昔からよく言われているけど……

私って、そんなに顔に出やすいんだ。


「あ、あのっ、先輩……」

「ん?」


高橋先輩が話し出しやすくしてくれた。

そんな高橋先輩の優しさに甘えた私は、あの日の返事をする。

私の出した答えは――…


「あの……、ごめんなさい。やっぱり、先輩とはお付き合いできません」

「なんでか、聞いていいかな?」


先輩の気持ちをお断りした私だけど、それでも高橋先輩は優しく聞いてくれる。


「前に話した通り、悠也に対しての今の気持ちは自分でもわからないんです。先輩は“悠也を忘れる為に利用していい”って言ってくれたけど、そんな失礼な事……出来ないです」

「俺が利用していいって言っているのに?」

「はい……、すみません」


そう言って、私は頭を下げる。


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