ずっと好きだったんだよ
伊原さんは伊原さんで


「これだけ仲良くなったんだから、絶対に大丈夫!付き合ってみせる!」


なんて事を、いろんな所で言っていたらしい。


伊原さん、すごくショックだろうな……


“悠也に彼女が出来なくてよかった”

そんな嬉しい気持ちと

“悠也は私の事を友達だと思っている。だから、もし、私が告白をしても、絶対にフラれる。そしたら、悠也のそばにいられなくなる”

そんな事を考えていると、私の心は、嬉しいのか悲しいのか、よくわからない気持ちになってくる。


「悠也、誰か好きな人がいるのかな……」


悠也は告白をされても、全て断っている。

という事は、その中に“いいな”と思える人がいなかった。

どれだけ可愛い子に告白されても断っているという事は……

好きな人が他にいる……?


「もしかしたら、奈緒かもよー」


私の腕をぐいぐいと肘で突きながら、萌実はそう言いながらニヤニヤしている。


「ないない!絶対にないって!!」


私はぶんぶんと首を横に振った。


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