ずっと好きだったんだよ
櫂は、普段、人前でこんな事をしない。

いつもと違う櫂に、“どうしたんだろう?”と思いながらも、櫂の行動と言葉に私の顔を赤くなる。

櫂の腕の中から、てっちゃんの様子を伺うと……

なぜか、てっちゃんも顔を真っ赤にしていた。


なんで、てっちゃんが照れてるのよ!


「なぁ。本当に俺が来てもよかったのか?」


櫂は私を抱きしめたまま、てっちゃんに尋ねる。


「もちろんですよ!さっ、中に入りましょう!!」


そう言って、てっちゃんは先に店の中へ入って行った。


「櫂、行こう?」


私は腕の中から櫂を見上げると、櫂はジッと私を見つめる。


「櫂……?」


さっき気付いた私の気持ちに、櫂はもう気付いているの?

私の心の中に、まだ悠也がいたという事を……


「はぁ……。ほんと、哲と仲良いよな……」


櫂は大きくため息を吐く。


「う、ん……?」


私は、櫂の言いたい事がわからなかった。


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