ずっと好きだったんだよ
「せっかく休みもらえたんだから、行ってきなよ。どうせ、悠也達も来るんでしょ?」


そう……

来るかどうかはわからないけど、同窓会となれば悠也がいる。

だって、中高とずっと同じクラスだったのだから。

そして、高校3年のクラスとなれば……

栞もいる。

栞とは、短大1年の時のあの夏の海以来会っていないから、なんか気まずい。


「どうだろうね……。連絡取ってないからわからないけど。でも、まぁ、てっちゃんはいそうだよね」


騒ぐ事が好きなてっちゃんは、きっと同窓会に来るだろう。


「そしたら、やっぱり悠也も陽輝もいるんじゃない?」

「うーん……。多分ね……」


そう言って、私はカシスオレンジをくいっと飲んだ。


「……ねぇ、奈緒。悠也に会って、気持ち、はっきりさせたら?」


綺那は、私が誰かと付き合ってもすぐに別れるというのを繰り返している事を知っている。

そして、私の心の中に、ずっと悠也の存在がある事も……


「でも……。どうせフラれるし」


悠也は私の事を友達だとしか思っていない。

私の気持ちを伝えても、フラれる。

そんなのは、わかりきっている。


< 167 / 294 >

この作品をシェア

pagetop