ずっと好きだったんだよ
私の隣に座っている悠也は


「お前、大丈夫かよ……」


そう言って、呆れながら私の背中をさすってくれる。


「ありがとう……」


私はお水を飲み、なんとか落ち着いた。


「で、どうなの?いるの?いないの?」


私が落ち着いたのを見て、萌実はまた悠也に聞く。


まぁ、萌実は私の為に聞いてくれているんだろうけど。

これで悠也に“好きに人がいる”って言われたら……

私、どうしよう……


みんなの前だから、明るくしていたいけど。

……私、出来るかな?


そんな事を考えていたら、


「いないよ」


悠也は何の躊躇いもなく、サラッと普通に答えていた。

悠也の言い方や表情を見る限り、嘘を吐いたり誤魔化したりしているわけではないし、今、好きな人が本当にいないんだって事がわかる。

その答えに、ホッとしたような、“私の事は本当に何とも思われてない”と現実を突きつけられ悲しいような……

複雑な気持ちになった。

そりゃ、悠也が私に気があるなんて思っていないけど。


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