ずっと好きだったんだよ
「でも、言ってくれたっていいじゃん……」


てっちゃんはブツブツとそう言う。


「まぁ、いいじゃん。ってか、二人ともいい加減、落ち着きなって!」


綺那は私とてっちゃんをなだめる。

私達が陽輝と萌実の事で騒いでいると


「悪い。遅くなった」


悠也が入ってきた。

その瞬間、私は緊張する。

悠也に避けられるのは嫌だと思い、避けられる事を不安に思っていたけど。

いざ、悠也に会うと、私の方が気まずくて距離を取りたくなった。


私って、本当に勝手だよな……

私が一方的に気持ちを伝えて、悠也に迷惑を掛けたのに。

頑張って、普通に接しなきゃ……


空いている席が私の隣しかなく、悠也はそこに座る。


「あっ、えっと……。お仕事、お疲れ様……」

「あぁ……。うん」


私は頑張って話し掛けたけど、やっぱり私達の間には気まずい空気が流れる。


そりゃ、そうだよね。

悠也も困るよね。

私があんな事を言ったから……


< 191 / 294 >

この作品をシェア

pagetop