ずっと好きだったんだよ
注文をした飲み物や料理が運ばれてくる。

そして、私達は昔話で盛り上がる。

だけど、左隣にいる悠也の方は見れなくて、私はずっと右隣の綺那か前を見て喋っていた。

多分、すごく不自然だったと思う。

でも、悠也の方を向く事は出来なかった。


「あっ、そうだ。もう一つ報告があるんだ」


陽輝が唐突に話し出す。


「俺ら、来年の春に結婚するから」


……っ!?


「えぇぇっ!?」


私達はびっくりしすぎて、みんなで声を揃えた。

陽輝の隣でにこにこと嬉しそうに笑って座っている萌実に「おめでとう!」と言うと、「ありがとう!」と、萌実はすごく幸せそうな笑顔を見せた。


「いいなぁー。結婚かー。私も早く結婚したいなぁ。って、その前に相手を見付けなきゃ、だけどね」


あはは、と笑いながら言う綺那に


「はい、はい!俺は?」


てっちゃんは右手を上げ、綺那に自分をアピールする。

だけど、「あぁー。ない、ない」と綺那は即答していた。

そんな会話を聞きながら、私は考えていた。

私達は、もう25歳。

最近は働く女性も多いから、25歳で結婚なんて、まだ早い方なのかもしれない。

だけど、そろそろ先の事もちゃんと考えなきゃな。

あの時は、フラれる覚悟がなかったけど、本当に、ちゃんと前に進まなきゃ……

いつもはそう思うだけだったけど、今はちゃんと自分の気持ちにケジメを付け、前に進もうと本気で思った。


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