ずっと好きだったんだよ
時間も遅くなり、私達は帰る事に。

綺那はてっちゃんに送ってもらう事になり、もちろん萌実は陽輝と一緒に帰る。

みんなが帰っていき、私と悠也は二人きりになった。

“ケジメを付ける”と決めた私。

悠也に“一緒に帰ろう”と誘おうとした時。


「あっ、奈緒?久しぶり」


えっ?


その声の主は……


「……櫂?久しぶり」


振り返ると、そこにはスーツ姿に櫂がいた。

櫂は私達のそばまで来る。


「奈緒、元気だったか?」

「うん。櫂は?」

「元気だよ」


私は櫂の事をたくさん傷付けたのに、櫂は昔と変わらず私に優しく笑いかけてくれた。

そして、私の耳元で


「悠也と上手くいったのか?」


そう悠也に聞こえないように小声で聞く。


「ち、違うよ!今日はみんなと飲んでたの!で、さっきバイバイしたの!」


慌てて言い訳をしていると、何故か悠也は私の事をじっと見ている事に気付く。


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