ずっと好きだったんだよ
私が少し困った顔をしていると
「冗談だよ」
櫂はそう言って、笑っていたけど……
さっき、“待っている”と言ってくれた時の櫂の目は真剣だった。
「じゃぁな。気を付けて帰れよ!」
櫂は昔みたいに、ポンポンと私の頭を撫でて、
「あっ、悠也。遅いんだから、ちゃんと奈緒の事、送ってやれよ」
そう言って、帰って行った。
その場に残された私と悠也。
さっきよりも気まずい空気を感じていた。
ケジメを付けようとしていたけど……
私の決心が、また鈍りだす。
でも、それじゃダメなんだ。
それじゃ、いつもの繰り返しになってしまう。
「……悠也、帰ろうか?」
櫂が帰って行った方をまっすぐ見ていた悠也に声を掛ける。
「あぁ……」
そう言うと、悠也は私の家の方に向かって歩き出した。
悠也の家は、私の家とは反対方向。
私の家の方に向かって歩き出したって事は、一緒に帰ってくれるのかな?
だけど、私達は何かを話すわけでもなく……
黙って歩いていた。
「冗談だよ」
櫂はそう言って、笑っていたけど……
さっき、“待っている”と言ってくれた時の櫂の目は真剣だった。
「じゃぁな。気を付けて帰れよ!」
櫂は昔みたいに、ポンポンと私の頭を撫でて、
「あっ、悠也。遅いんだから、ちゃんと奈緒の事、送ってやれよ」
そう言って、帰って行った。
その場に残された私と悠也。
さっきよりも気まずい空気を感じていた。
ケジメを付けようとしていたけど……
私の決心が、また鈍りだす。
でも、それじゃダメなんだ。
それじゃ、いつもの繰り返しになってしまう。
「……悠也、帰ろうか?」
櫂が帰って行った方をまっすぐ見ていた悠也に声を掛ける。
「あぁ……」
そう言うと、悠也は私の家の方に向かって歩き出した。
悠也の家は、私の家とは反対方向。
私の家の方に向かって歩き出したって事は、一緒に帰ってくれるのかな?
だけど、私達は何かを話すわけでもなく……
黙って歩いていた。