ずっと好きだったんだよ
もう、この話を続けたくない私は


「ね、ねぇ、それよりさ、悠也ってどこの高校受けるの?」


悲しい気持ちを隠し、話を逸らす。

実は、今まで悠也がどこの高校を受けるか気になっていたけど、なかなか聞けないでいたんだ。

もし、行けるのなら、悠也と同じ高校に行きたい。

悠也に友達としか思われていない事はわかっているけど。

でも、友達でもいいから、悠也と一緒にいたい。


「ん?俺?北川高校だよ。奈緒は?」


えっ?嘘っ!?


私は第一志望の高校を、公立の北川高校にするか、私立の学校にするかで迷っていた。


合格すれば、一緒の高校に行ける!


「私も北川高校だよ!」


私が公立か私立かで迷っていた事を知っている萌実は、表情には出していないけど、びっくりしていると思う。

だけど、私は悠也の受験する高校を聞いて、どっちを第一志望校にするかをその場で決めた。

こんな決め方はダメだと思うけど……


「おっ!じゃぁ、また高校も同じだな!お前といると楽しいし、嬉しいよ。つーか、また、3年間、同じクラスになったりしてな?」


悠也は嬉しそうに笑いながら私を見る。


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