ずっと好きだったんだよ
「うーん……。最近はあんまり悠也の事を考えていないかな?って、セール期間に入って忙しかったから、考える余裕がなかっただけなのかもしれないけど……。でも、気持ちは大分落ち着いたよ?」

「ならいいんだ。奈緒ちゃん、あれからずっと無理して笑っていたから……。ちょっと心配だったんだ」


そう言って、梨華ちゃんはホッとしたような表情になる。


私……

みんなに心配を掛けているよね。


綺那や萌実からも、電話やメールが今まで以上にある。


みんな、心配を掛けてごめんね?

だけど、もう大丈夫だよ。


「ごめんね。それと、ありがとう。もう、大丈夫だよ」


そう言って、私は梨華ちゃんににこっと笑顔を見せる。

本当に、今、気持ちが落ち着いてきている。


飲み会があったら、次こそは行こうかな?


私と悠也は友達。

それに、私と悠也の友達は共通の子が多い。

だから、気まずいからと言って、いつまでも会わないわけにはいかない。

悠也に会っても平気なら、私は悠也を思い出に出来たって事。

そしてら、今度は本当に前に進めたって事なんだ。


だけど、結局、悠也に会う機会がないまま春になり、萌実と陽輝の結婚式当日を迎えた――…


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