ずっと好きだったんだよ
聞き、間違いじゃ……、ない?

でも、そんなの……


「そんなの……、嘘だ……」


そうだよ。

そんなの、嘘だよ。

そんな事、信じられないよ……


「嘘じゃないよ。俺、奈緒の気持ちを聞いた時は、奈緒の事を友達だと思っていた。奈緒の事は好きだけど、奈緒は大切な友達。奈緒の好きと俺の好きは違う。そう思っていたから、俺は断った。でも、今考えると、本当はあの時はもう奈緒の事が好きだったのかもしれない」


……えっ?

どういう事?


悠也の表情は真剣で、嘘を吐いているようには見えない。

だけど、私は悠也の言っている事が信じられなかった。

自分に都合のいい夢を見ているんだ。

きっと、そうだ。

そんな風にまで思った。


「陽輝達が結婚の報告をした日の事、覚えてる?」


忘れるわけがない。

だって、その日は……

悠也にフラれた日なのだから。


「その日の帰り、高橋先輩に会っただろ?あの時、俺、高橋先輩に対して、すごくヤキモチを焼いていたんだ。でも、俺は奈緒の事を友達だと思っていたから、“ヤキモチなんてあり得ない”って思っていた。だから、あの時、奈緒の気持ちは受け取れないって思ったんだけど……」


悠也は話している間、真剣な表情でずっと私を見つめていた。

そんな悠也の視線から、私は逃れられなくなっていた。


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