ずっと好きだったんだよ
「あっ、そうだ!北川高校だったら陽輝も一緒だよな?」

「あぁ。受かれば、悠也とは小学校からずっと一緒だな。萌実はどこ受けるんだ?」


陽輝は笑顔でそう答えると、隣に座る萌実を見る。


「私?私は、私立の女子校……」


そう言いながら、萌実は寂しそうな表情をした。

一応、萌実も北川高校を受けるけど、本命は保育科のある私立の女子校だ。


「そんな寂しそうな顔すんなよ。例え、高校が違っても俺らは友達だから、な?」


陽輝は優しい表情で萌実の頭に手をのせ、髪の毛をくしゃくしゃっとした。


「そうだよね!みんなで志望校に受かるように頑張ろうね!」


陽輝に頭を撫でられた萌実は、嬉しそうに笑顔を見せた。





夏の大会も終わり部活も引退した。

そして、私達3年生は受験一色。

私は勉強が出来るわけではないけど、苦手なわけでもない。

言うなれば、成績は真ん中くらい。

第一志望の北川高校は合格圏内だけど、余裕ってわけではない。

だから、私は悠也と同じ高校に行けるように、一生懸命頑張った。





そして、寒かった冬が終わり、暖かくなってきたこの季節。

私達はそれぞれの志望校に合格した。


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