ずっと好きだったんだよ
「そろそろ帰ろうか」


明日も仕事の綺那がそう言った。

ちなみに、私は明日休みなんだけどね。


お店を出て、駅に向かおうとしていると、


「あっ、あれって悠也じゃない?」


綺那が車道を挟んで反対側を歩いている集団を指さす。

私は綺那の指す方を見ると、そこには悠也が周りの人達と楽しそうに歩いていた。

今日、悠也は会社の同期の人達と飲みに行くと言っていた。

私と綺那が悠也達の方を見ていると、その集団の中にいた一人の男の人が私達に気付き、悠也の肩を叩き私達を指さしていた。


「あっ、あれって佐々木くんじゃない?」


私達の事を指さしていた人は、萌実と陽輝の結婚式で会った佐々木くんだった。


そういえば、悠也と同じ会社だって言っていたな。


「あぁ、奈緒の事をタイプって言っていた男?」


……そういえば、そんな事を言われたな。


そういう事を言われ慣れていない私は、その時の事を思い出し、顔が熱くなる。


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