ずっと好きだったんだよ
「うん、久しぶりだね」


そう私が答えると


「奈緒ちゃんも綺那ちゃんも飲んでたの?」


佐々木くんは笑顔のまま話し掛ける。


「うん」

「そうなんだ。俺達もさっきまで飲んでたんだ。あっ、そうだ!せっかく会ったんだから、今からどこか違う店で……、イテッ!」


見上げると、佐々木くんより少し背の高い悠也が、佐々木くんの頭をバシッと叩いた。


「明日も仕事だろう」


はぁ……、と、悠也は大きなため息を吐く。


「大丈夫だって。ねっ?だから行こうよ!」


と、佐々木くんはにこにこと笑顔で私と綺那を見る。


「奈緒、コイツの言う事は気にしなくていいから」


悠也は佐々木くんを無視して、少し機嫌の悪そうに私の腕を掴み、グイッと引っ張り抱き寄せた。

綺那は、悠也と私をにやにやとしながら見ていた。

そんな悠也の行動を見て、


「えっ?あれ?もしかして……?」


佐々木くんは私と悠也を見比べる。


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