ずっと好きだったんだよ
すると、


「その子が阿部の彼女?」


可愛らしい女の子が、にこっと笑って話し掛けてきた。


なんか、この人の雰囲気……

誰かに似ている気がする。

誰だろう?


私はその女の人を見つめ、考えた。


「えっ?マジ?でも、あの時、そんな事何も言ってなかったよな?」


佐々木くんは、その女の人の言葉を聞いて驚く。


「いいだろ、別に」


悠也は、佐々木くんに対して面倒くさそうに答える。


「まぁ、まぁ」


その女の人は苦笑いになりながら悠也をなだめ、


「私達は帰るね」


そう言って、にこっと笑う。


「あぁ」


悠也がぶっきらぼうに答えると、


「ほら、佐々木!行くよ!それじゃぁ、失礼しますね」


その女の人は、私と綺那に軽くお辞儀をして、佐々木くんを連れ、会社の人達と帰って行った。

私はその後ろ姿を見て、そして、悠也を見上げ、


「今の人、すごく可愛らしい人だね」


そう、感じたままの事を言った。


「えっ?あ、あぁ……」


だけど、悠也の返事は何故か歯切れが悪かった。


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