ずっと好きだったんだよ

「ごめんなさい……。悠也が私の事を想ってくれているのは、今はわかっている。だけど、私は栞や七海さんみたいに可愛くないから……。だから、ちょっと……」


“落ち込んだだけ”

その言葉は言わず、私は悠也から視線を逸らす。

だけど、悠也に顎を掴まれ、クイッと戻された。

そして、


「どうしたら、奈緒の不安を取り除ける？」


悠也はまっすぐ私を見つめながら言う。


「大丈夫だよ。不安があるわけじゃないから。ただ……、ちょっと落ち込んじゃったけど、もう平気だから」


私はにこっと悠也に笑い掛ける。


そりゃ、落ち込んだけど、今、悠也は私のそばにいてくれる。

たくさんの“好き”という言葉をくれる。

だから、大丈夫。


私の心の中は……

今はそれよりも、悠也との関係が先に進めていない事の方が気になりだしている。

今、悠也の手は私の頬に添えられている。


このまま……


って、私は少し期待していた。