ずっと好きだったんだよ
「ううん。あの頃は……、ずっと私も悠也に気持ちを気付かれないように隠していたから。それに、今、こうやって悠也と一緒にいられるんだもん。だから、気にしないで」


そう言って、私は悠也のコートをそっと掴む。


「奈緒、寒くない?大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ」


ずっと外にいる私達。

本当は少し寒いと感じていたけど、でも、まだこうやって悠也とゆっくり街を歩いたりしていたかった。


「なぁ、奈緒……」

「ん?」


悠也の顔を見上げると、悠也は真剣な表情で私を見つめていた。

悠也のこんな真剣な表情を見たのは、今回で二回目。

そう、悠也の気持ちを聞いたあの日以来だ。

私はそんな悠也に、すごくドキドキしていた。


「……一緒に住まないか?」


……えっ?


悠也の言葉に驚いた私は、悠也を見つめたまま固まる。


一緒に住む?

という事は、同棲……?


今まで悠也と一緒に住むなんて考えた事のなかった私は、急な展開に戸惑う。


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