ずっと好きだったんだよ
「ねぇ、奈緒は?奈緒は伝えなくていいの?」

「私は……、無理だよ」


私は萌実みたいに勇気がない。


「まぁ、同じ高校だからね。だからって、ぼやぼやしてると、他の誰かに先越されちゃうんだからね!」

「うん……」


そうだよね。

きっと高校には可愛い子がたくさんいるんだろうな……

今まで勇気がなくて“友達でもいいから一緒にいたい”って思っていたけど。

“悠也と誰か女の子が一緒に並んで歩いてる”

そんな事を考えるだけでも悲しくなる。


私も頑張らなきゃな……


「アイツ、人の事には鋭いくせに、自分の事となると鈍いからなぁ……。まぁ、アイツに気付かせるのは大変だけど、頑張れよ!」


陽輝は私の肩をポンッと叩く。


……へっ?


「えっ?な、なんで?何で、陽輝?えっ、えぇっ!!」


私は陽輝の言葉に焦った。


「あははっ!落ち着けよ」


陽輝は笑いながら焦っている私を見る。


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