ずっと好きだったんだよ
「……ねぇ、悠也」

「何?」

「あれだけ沢山のチョコを貰ったんだから、私のチョコはいらないよね?」


味見をしていない私は、チョコがちゃんと出来ているか不安だった。


「はぁ!?何でそうなるんだよ!!」


悠也はパッと顔を上げ、私の肩を掴み、自分の方へ向かせた。


「だって……、あの紙袋の中のチョコの方が、確実に美味しいよ?」


パッと見ただけだけど、あの紙袋の中には超有名店のチョコも入っていた。

そんなチョコと私の作ったチョコを比べるのはおこがましいけど。


「俺は、奈緒のチョコが欲しい」


悠也はまっすぐ私を見つめながら、そう言った。

時刻は、もう0時をまわって、日付は14日に変わっている。

だから、私は


「……後悔しても知らないからね!!」


そう言って、プレゼントとチョコの入った紙袋を渡す。


「後悔?」


悠也はその言葉に、きょとんとしていた。


「だって……。私、チョコを作ったのなんて初めてなんだから!しかも、数も少なかったから、味見してないし……」


私の声はだんだんと小さくなっていく。


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