ずっと好きだったんだよ
その日の夜――…


私と悠也はご飯を食べ終え、悠也の部屋でまったりしていた。

すると、悠也は私の肩を抱き寄せ、


「奈緒。今日さ……、すごく綺麗だったよ」


私の耳元で、そう囁く。

私は悠也に“綺麗”と言ってもらえた嬉しさと、耳元で囁かれ、すごくドキドキしたのだけど。


「何で、あの時言ってくれなかったのさ」


嬉しさを隠し、悠也に顔をじっと見る。


だって、あの時、何も言ってくれなくて、すごく寂しかったんだから!


「いや……。だって、あまりにも奈緒が綺麗で、言葉が出なかったんだ」

「本当?」

「あぁ」


少し照れたように頷く悠也が可愛くて、私は悠也に抱き付いた。

悠也はそんな私をぎゅっと抱きしめ、私の頭を撫でる。

私が一番安心出来て、落ち着く場所――…


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