ずっと好きだったんだよ
悠也に家に着き、先にスーパーで買った食材を冷蔵庫に入れ、コーヒー片手に部屋に戻る。

その時、パソコンが置いてあるデスクの上に、小さな箱が目に入る。

ただ、小さな箱が置いてあるだけなら、そんなに気にならなかったんだけど。

その小さな箱に書いてあるブランド名。

それは、私の働くショップと同じ会社のグループブランド。

私の働いているショップはレディースブランドショップ。

他にはメンズ、レディース、キッズが揃っているファミリー向けブランドやアクセサリーを取り扱うブランドなどがある。

その小さな箱に書かれているブランド名は、そのアクセサリーショップのブランド名だった。

そのアクセサリーショップは、お手頃なアクセサリーから、値の張る商品、それにブライダル用のアクセサリーを取り揃えている。

お手頃な商品も多いし、同じグループブランドでもあるし、社員割引もきく。

なので、私はアルバイト時代から、よくこのアクセサリーショップを利用していた。

このアクセサリーショップは、ペアリングや結婚指輪なら男性用もあるけど、基本、女性用の商品を取り扱っている。

だから、そのアクセサリーショップの箱が悠也の部屋に置いてあるのが不思議だ。

悠也が使う物でもないし、一瞬、“私へのプレゼント?”とも思ったけど、特に誕生日でのなんでもない。

それに、結婚指輪は違うアクセサリーショップで頼んである。

悠也がくれた婚約指輪と同じブランドにしたから。


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