ずっと好きだったんだよ
さっき、受付で「えっと、有沢さんは……、1組ですね」と言われたので、1組の人達が座っている場所を探す。

そこで、一つ空いている席を見付けた私は


「あの……、隣いいですか?」


まっすぐ前を見て座っている女の子に声を掛ける。


「はい、どうぞ」


顔を上げ、返事をしてくれたのは、すごく綺麗な女の子だった。

私はその女の子の隣に座る。


「私、栗原 綺那(くりはら あやな)」

「あっ、私、有沢奈緒です」

「奈緒ちゃん、よろしくね!あっ、私の事は綺那でいいよ!」


そう言って、綺那はにこっと笑う。

パッと見た印象は“綺麗な子だ”って思ったけど、笑うとすごく可愛く柔らかい表情をする子だな、って思った。


“可愛い”っていうのは、こういう子の事を言うんだよ!


さっき、ぶつかってしまった男にからかわれた事を思い出し、ムッとする。


「うん。綺那、よろしくね!あっ、私の事も“奈緒”でいいよー」


だけど、笑顔の綺那を見て、私も笑顔で返す。


そうこうしているうちに、入学式が始まる。

私達は、入学式の間、コソコソといろんな話をした。

綺那とは初対面だけど、初対面って感じがなく、すごく話しやすい。

私達は、その場ですごく仲良くなった。


< 30 / 294 >

この作品をシェア

pagetop