ずっと好きだったんだよ
久しぶりに会った悠也は、中学の頃は可愛い男の子って感じだったんだけど、高校の制服を着た今は、格好良くて、中学の頃より少し大人びた感じになっていた。

そんな悠也を見て、私の顔はすごく赤くなっていたと思う。


「奈緒、また同じクラスだな!」

「えっ?」


私、今年も悠也と同じクラスなの……?


「俺ら前の方に座ってたのに、お前、全く気付かなかっただろ」


きょとんと悠也を見る私の頭をくしゃくしゃとする。


「もぉー!髪の毛ボサボサになるからっ!」


って、寝癖を直しただけの私の髪型。

手ぐしですぐに直るのだけど。

文句を言いながらも、悠也の一つ一つの行動が嬉しく思えた。


……ん?

今、“俺ら”って言わなかった?


「……ら?」

「はぁ?“ら”ってなんだよ」

「今、“俺ら”って言ったじゃん」


悠也の言葉を“うーん”と考えていると


「……おい、奈緒。俺の事、忘れてるだろ」


悠也の後ろから顔を出した陽輝は呆れた表情で私を見ていた。


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