ずっと好きだったんだよ
「奈緒、知り合い?」


綺那は“なんだコイツは?”という感じの不信感満開でその男を見る。

悠也や陽輝は、“誰だ?”って少し驚いた感じで、いきなり現れたナンパ男を見ていた。


「ううん。さっき言ってた、私がぶつかった人」


そう言いながら、そのナンパ男に掴まれた腕を振り払う。


「あぁ……」


今朝の話を聞いていた綺那は、そのナンパ男を見て、微妙な表情で苦笑いになる。


「お前、鈍くさいなぁ」


“ぶつかった”という言葉だけを聞いた悠也は笑っていた。


「あぁっ!!阿部悠也!それに、樫原陽輝もいる!」


私に絡んでいたナンパ男は、悠也と陽輝を指さし驚いている。

いきなり指をさされた二人は、きょとんとした。


「俺、西野 哲(にしの てつ)。何回かバスケの試合で二人の学校と対戦した事があるんだ!なぁ、二人とも高校でもバスケやる?」


ナンパ男……、もとい、西野くんは興奮しながら悠也と陽輝に近付く。


「あ、あぁ……」


西野くんのテンションに、悠也は若干引きながら答える。

陽輝も引きながら、頷いていた。


悠也、高校でもバスケやるんだ。


高校に入ってからも、バスケ部に入ろうとしていた私は、男女別だけど、一緒に部活が出来る事が嬉しかった。


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