ずっと好きだったんだよ
レクレーション当日――…

天気も良い。


普段は制服だけど、今日は私服。

私はアイボリー地にロゴの入ったTシャツにボーイフレンドデニム、そして、腰にはチェックのシャツを巻き、キャップをかぶっていた。

そんな格好で集合場所である駅に着くと


「奈緒……。それ、ボーイッシュを通り越して、男の子だよ」


綺那に会った瞬間、そんな事を言われてしまった。

私の髪型はベリーショート。

そして、細いのはいいけど、胸もない。

しかも、身長も170mあって、今もまだ伸びている。

まぁ、バスケをするには、身長が高くていいんだけど。


私は小さい頃から、“女の子っぽい”と言われるより、“男の子みたい”と言われる方が多かったから、慣れてはいるんだけどね……

“可愛い”とは程遠い私だけど、“可愛くなりたい”と心の中では思っている。

そんな私とは正反対の綺那は、前身頃にレースを重ねた白のタンクトップにサックスの薄手のトッパーカーディガンにデニムのスキニーパンツという、カジュアルだけど女の子らしい服装だった。

綺那の身長も168cmと高い方だが、だけど、見た目も女の子って感じで、すごく可愛い。

本当は、私だって綺那みたいな女の子らしい服装をしてみたい。

だけど、見た目からして、男の子っぽい私は綺那みたいな服装は似合わないだろうし、それ以前に、そんな可愛らしい服装を持っていない。

私が持っているのは、Tシャツやシャツ、パーカーばかりだ。


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