ずっと好きだったんだよ
「お前、見た目は男っぽいけど、女なんだから、気を付けろよ。痕が残ったら、どうするんだよ」


悠也は呆れた表情で私を見る。


これは、喜んでいいのか?

“男っぽい”とは言われたけど、“女の子”扱いしてくれているし……

私は複雑な心境だった。


だけど、明るく……

そう、落ち込んだ表情を出しちゃダメ。


そう心の中で呪文のように呟く。


「大丈夫、大丈夫!あっ!じゃぁ、その時は悠也が私の事もらってくれる?」


冗談っぽく……

だけど、友達以上の関係になりたい私の気持ちを込めて。

今の私には、これが精一杯の頑張り。


「なんで俺なんだよ」


だけど、私の少しの勇気は、悠也に笑い飛ばされた。

まぁ、私も冗談っぽく言ったから、当たり前の反応だけど。


「あ、あの……」


そんなやり取りをしていると、他のクラスの女の子三人組が話し掛けてきた。

さっき、準備をしている時に周りにいた女の子とは違う子達。


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