ずっと好きだったんだよ
……ガンッ


えっ?


「お前ら静かにしろよ。前で喋ってんだろ!ってか、先生もちゃんと注意しろよ!!」


机を蹴る音と声が聞こえた方にみんなの視線が一斉に集まる。

それは、一番後ろの席の悠也だった。

いつも、にこにこしていて優しい悠也。

“怒る”というイメージが全くない。

だから、みんなすごく驚いた表情で悠也を見ている。

中学に入ってから、悠也の事を知ったし、悠也との付き合いは短いけど、仲良い友達の悠也がこんなに怒っている姿は初めて見た。


それよりも、私の勇気が無くて言えなかった事を言った悠也。

その勇気と優しさに悠也の事を“カッコイイ”って思った。

今まで悠也の事を男友達としてしか思っていなかった私。

だけど、その時初めて悠也に対してドキドキしていた。


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