ずっと好きだったんだよ
「別に、俺ら、付き合ってないよ。奈緒とは友達」


悠也は三人の女の子に向かって、そう言った。

すると、三人組の中の一人が


「あの、それなら……。少し、お話いいですか?」


顔を真っ赤にして、上目遣いで悠也を見る。


「あぁ、いいよ」

「でも、ここでは、ちょっと……」


真っ赤な顔をした女の子は、チラッと私を見て


「向こうに行きませんか?」


少し恥ずかしそうにそう言った。


「あぁ、わかった。奈緒、ちょっと行ってくるわ。お前、ちゃんと冷やしとけよ」


ポンポンと私の頭を撫でて、悠也は三人組の女の子と歩いて行った。


私は……、っていうか、今の女の子の雰囲気なら誰でも“告白だ”って事がわかるけど。


ねぇ、悠也?

今から告白されるって事、わかってる?


それと……

“ごめん”なんて言ってほしくなかった。

そんな噂があっても、私は大丈夫なんだから。

だって、私が好きなのは悠也なんだよ?


悠也達が行った後、私はそのままその場に立ちすくんでいた。


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