ずっと好きだったんだよ
「でも、今日の服、くびれわかんないよね……?」


まぁ、そんなスタイルがはっきりわかかる服は私が嫌がるから、今着ている服になったんだけど。


「あははっ!そうだね。でも、自信持ちなよ!はい、とりあえず、今はじっとして」


綺那は笑いながらも、真剣に私の顔に化粧をする。


目元はベージュと淡いピンクを入れ自然な感じに仕上げ、チークはピンク系で最後にパールの入ったグロスを塗って――…


「はい、出来上がり!完璧っ!ふふっ、きっと悠也のびっくりするよ」


綺那は満足気な表情で、私に手鏡を渡す。


「奈緒、どう?」

「……なんか、私じゃないみたい」


いつも“男の子みたい”と言われる私。

だけど、今、鏡に映る私は“女の子”みたいだ。

って、私は女なんだけど。


私でもこんなに変われるんだ。


綺那は私の言葉に、嬉しそうに笑う。


「さっ、準備も出来た事だし、お祭りに行くか!」


そう言うと、綺那は出掛ける準備をする。


「うん、行こう」


私と綺那は待ち合わせ場所である神社に向かった。


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