ずっと好きだったんだよ
「綺那にやってもらったの」


“可愛い”なんて、言われ慣れていない私は、ちょっと恥ずかしくなる。


「初めまして。陽輝の彼女さんだよね?会えて嬉しいよー!」


照れている私の横で、綺那と萌実が互いに自己紹介をする。

そして、私達三人がキャッキャと騒いでいると


「おっ!奈緒が女だ!!」

「はぁ!?どーいう意味よ!!」


いつの間にか私達のそばに悠也達が来ていて、失礼な事を言ったてっちゃんをキッと睨む。


「だって、奈緒が化粧してる所なんて、初めて見たもん。お前、普段、化粧なんてしないじゃん。つーか、変わるもんだな」


そう言って、てっちゃんはフッと笑う。

初めて化粧をしたし、私も自分じゃないみたいって思ったけど……

私は元々“女”だ!!


「もぉー、うるさいなぁ……」


綺那や萌実に“可愛い”と言ってもらえて喜んでいたけど、てっちゃんの言葉に少しムッとする。


「ねぇねぇ、悠也。奈緒、可愛いでしょ!」


そんな私を悠也の方に向け、萌実が得意気に言う。


「……あぁ。奈緒、そういう格好も似合うじゃん。可愛いよ」


そう言って、悠也はにこっと笑う。

私は、悠也の言葉にすごく嬉しい気持ちになる。

だけど……

私を見て言ってくれた悠也の視線が、私を通り越して私の後ろを見ているのがわかった。


何?

後ろに、何かあるの?


私は後ろを見ようとした――…


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