ずっと好きだったんだよ
「奈緒、もう悠也に告白しなよ」


夏祭り以降、綺那にずっとそう言われていた。


「でも……」


悠也に好きな人が出来るのは嫌なくせに、自分の気持ちは伝えられない。


私、勝手だよな……


「もう!本当に、悠也に彼女出来るよ!奈緒は自分の気持ちを悠也に伝えないままでいいの?ずっと同じ事をウジウジと悩んでるつもり?」


綺那はそう怒っていたけど……


結局、私は悠也に気持ちを伝える事が出来なかった。

だから、相変わらず、私と悠也は仲の良い友達。


そして、そんな状態のまま、私達は2年に進級した――…





2年に進級しても、綺那と悠也と陽輝とは同じクラスになれた。

てっちゃんだけ、


「何で俺だけ、違うクラスなんだよー!」


一人、違うクラスだった。


そして……

松下さんも私達を同じクラスだった。


松下さん、本当に可愛いなぁ……


松下さんと同じクラスになり、本当にそう思った。

だけど、中学の同級生の伊原さんの例もある。

見た目が可愛くても、伊原さんみたいに裏表のある性格かもしれない。

私は、正直、少し期待してしまっていた。


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