ずっと好きだったんだよ
「ただいまー」


嬉しそうな悠也の声がしたので、私は教室の入り口を見る。

買い出しに行く前と、なんか雰囲気の違う悠也と栞。


何かあったのか?


どこか嬉しそうな悠也。

そして、さっきと違う雰囲気の二人。

嫌な予感がした。

私は緊張をしてきて、喉がカラカラに乾き出す。

そして、私達の元へ戻って来た栞はめぐちゃんの耳元で、小さな声で話した。


「――…」


えっ?


めぐちゃんの近くにいた私は、栞の言葉が聞こえてしまった。


『私、阿部くんに告白した……』と。


その後も、栞とめぐちゃんは話していたけど、私は何も聞こえなかった。

いや、聞きたくなかったから、私は自然に耳を塞いでいたのだろう。

でも、聞かなくても、悠也がなんて答えたかわかる。

好きな相手、栞に告白された悠也。

断るわけがない。

それに、栞のこの嬉しそうな顔……


ちゃんと頭ではわかっているの。

もう、諦めなきゃって。

でも、気持ちがついていかないんだ――…


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