ずっと好きだったんだよ
学校に着くと

“悠也と栞が付き合っている”

という情報が、すでに広まっていた。


「おはよー」


教室に入り自分の机に鞄を置く。

登校してきた私に気付いた綺那は私の前の席に来て座る。


「おはよう。奈緒、大丈夫?」

「多分……」


まだ、悠也と栞は来ていない。

だから、今はまだ私の気持ちは落ち着いているけど。


「多分って……。それにしても、その目、ヤバいよ」

「化粧で誤魔化そうとしたんだけど、ダメだった」


そう答えて、あはは……、と苦笑いになる。


「後で何とかしようか?」

「うん、ありがとう」


綺那と話していると


「ねぇ!有沢さんと阿部くんって付き合っていたんじゃなかったの?」


クラスの女の子達に話し掛けられた。

1年の時のレクレーションで“私と悠也が付き合っている”という噂の事を知った。

そして、その時に私も悠也も否定したのだけど。

でも、私と悠也の仲が良かったから、


「あの時、二人は否定していたけど、実は付き合っているんじゃないか」


そんな噂が流れ続けていた。

その事は知っていた。

だから、直接聞かれたら“付き合っていない”と答えていたけど。


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