雨音





海に着いた。


季節は秋。


海の風が強くて冷たくて。

車から降りたわたし達は
車を降りてからも
なぜだか手を
繋いで歩いた。


黙ってわたしに
けいちゃんは
自分の着ていた
ニットカーデを
肩から掛けてくれた。


隣をみたら
本当に整った顔で
優しく笑ってくれる。


寄っ掛かりたく
なってしまう。


でも、わたしは
幸せになっちゃ
いけないんだ。

幸せは似合わない。
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