あぁ素晴らしき引きこもり!?
「えーと、取り敢えず服着てきたらどうだろう」

「はい。そうします。失礼しました。」

あまりにもショックだったために淡々と言葉を並べて自分の部屋へと帰る。

「・・・・・・・・っ・・・・ぁぁぁぁあああああぁぁぁあああぁぁああああぁああァァアああぁああぁぁああぁああぁああ」

長い長い溜息なのか叫び声なのか分からないことを口から吐き出して、のそのそと服を着る。

そして、また隣人の部屋をたずねた。

「すいまーせん。宮野です。」

「なんだぃ?『すいまーせん』って。まぁいいや。服は着た?」

「当たり前です。馬鹿にしてんですか。それとも私の裸が見たいんですか?キャー変態。」

「馬鹿なことをいわないでくれないか。誰も君の裸なんて見やしないから。」

「なんですか、それ。遠まわしに私はモテないって言ってるんですか」

「よく分かったね!君はエスパーか何かかい?」

「貴方ほんとなんかむかつきますね。」

「見も知らない君にむかつくなんて酷いいわれようだね」

「え、それって見も知らない貴方にモテないと言われた私はどうなるんですか」

「仕方ないよ。本当のことだと思うんだけど。」

ポンと肩に置かれた手をバシンと払って「そんなことないですっ!彼氏の一人や二人いま・・・・・・・・・・・したよ、四年前!」

一気に虚しくなった。

「あ、当たったね。やっぱりモテないんじゃないか。嘘は駄目だよ嘘は」

こいつ殺したろか・・・・・・・・・・・・・・

神様、ささやかな殺意って本当にあるんだね。

「取り敢えずさ、今朝だから騒ぐの止めて帰ってよ。」

なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!?

朝からがんがんに音楽聴きやがった御前はいいのか!?そうなのか!?

「ほら、邪魔。」

玄関から外に放り出されて唖然とする私を振り返りもせず「またねー」と一言残して扉は閉まった。




「あぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああぁああああああああぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ」

大絶叫の後、私は大家さんに御説教されて自室へと戻ったのだった。
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