忘れられたクラスメイト
「あれ・・・…?」

近づいてみても、やっぱり梨花はそこにおらず血だまりすらない。


そんなはずないのに。


あたしが殺しちゃったはずなのに。


「どうして?」

あたしのつぶやきに、
「そんなこと俺に聞いても知るわけがないだろう」
と、不満げに山本先生が口にした。

「でも、でもっ。さっきはたしかに……」

そう言ってみるけれど、山本先生は少し不機嫌そうな顔をしている。


まるであたしが寝ぼけてるみたいに。
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